会長あいさつ
〔令和5(2023)年2月5日更新〕
昭和41(1966)年3月に開催した「都市設備研究会」が本学会のルーツであり、その後昭和46(1971)年に「都市環境工学会」、昭和63(1988)年に現在の「日本環境管理学会」に発展的に改組し、歩み続けてまいりました。
これまで学会の発展に寄与された、設立者の初代会長、木村宏先生、第2代会長、久保猛志先生始め、役員の方々、会員の皆様に敬意を表する次第であります。長年の貢献に深く感謝申し上げます。
昭和63(1988)年の改組においては、本学会の研究対象分野として建築物環境管理分野を強化し、ビルメンテナンスをその大きな柱としたことです。ビルメンテナンスを研究分野の一つに単独で掲げる学会は当時も、また現在でも唯一無二であると存じます。
改組当時、会報には次のように記されております。
「都市環境のみならず、建築環境の質的向上に対する要求も急速に高まり、特に高度なエレクトロニクス技術の導入に伴う、建築設備技術を駆使した高機能化の傾向は極めて顕著です。しかしながら、現在、建築物の経営と密着した環境管理を専門とする人々にとって、必要な技術交流や研究発表の機会は極めて少なく、研究成果等をオーソライズする場も限られています。ひるがえって考えてみますと、都市でも、建築でも、基本的に造る、管理する、使うという三つの行為がバランスよくリンクして初めて、目的に合致した良好なレベルの環境を形成する事が可能になるのです。今や時代は単なる物造りから、高次元の環境管理を考える時代へと移行しつつあるといってもいいでしょう。」
令和5(2023)年は、学会改組から35年の節目の年となります。気候変動による様々な地球環境問題の解決と脱炭素社会の実現に向けて、学術と技術、実務の研究活動と研究発表の大会や、シンポジウムやセミナーなど継続してまいります。学会のさらなる発展に向けて、役員一同頑張つてまいります。会員の皆様並びに関係各位には一層のご指導とご支援のほどよろしくお願い申し上げます。
日本環境管理学会
会長 三橋 博巳
設立趣旨
日本環境管理学会は、人類やその共存物が適切に存続し、発展するのに必要な条件を総合的に研究し、それらを実現することを目的としています。人類の共存、生活と生産のために供与されるあらゆるシステムの建設及び利用、さらにはそれらの運用と管理を社会的技術として位置づけ、これらを論理的、学問的に体系化しようとしています。
最も普遍的な人間活動の場である地域・都市・建築の環境システムを適切に保全・運用して、その社会的機能を高めることなどが最も身近な事例です。
このような環境管理を行うことによって、考え得る最も適切な状況の形成を目指した施設運用などが可能になるものと思われます。
近年の科学技術の進展は、大量の物質やエネルギーの消費を前提とした物的生産を促進し、生産や利用の段階で発生する要因が環境に様々な悪影響を及ぼしています。
世界の先進諸国における環境破壊がその顕著な事例であり、長期的かつ社会的視点に立った環境管理思想が欠落した使益優先主義が、結果として多くの不経済や不幸な事態の発生を招いていることは疑いの余地がありません。このようなことが最終的には地球規模での環境システムの破壊を招いていることがようやく検証され、大きな問題となっています。
私たちの日常的な生活行為やその支援基盤である建築や地域・都市の活動は、多くの産業システムによる生産と、それに伴う物質・エネルギーの消費に依存しています。したがって、環境の劣化を抑制しながら生活レベルを維持するためには、社会活動の種々のプロセスにおいて適切な制御と管理の措置を行う必要があります。
以上のような認識の下に、人間個々の生活空間から建築、都市、地域、国土、そして地域環境に至るまで、良好な環境の計画と保全のあり方を考えるのが私たちの目指す環境管理です。ものの生産を最優先することから、利用過程、終末処理、処分までの管理を重視する時代に入った今、人間環境の管理システムを確立することは、きわめて重要な課題として認識されなければなりません。
学術領域
日本環境管理学会は、人類の安全と幸福に関わる諸問題についての広い展望の中で、環境管理を学問的、技術的に研究するための学術団体であり、この学会が対象とする学術、技術領域は、会則により現在次の 6項目を揚げています。
1.都市環境管理
2.建築環境管理
3.ビルディング・メンテナンス
4.プロパティ・マネジメント
5.ビルディング・マネジメント
6.環境管理論
活動内容
<1>研究発表会
環境管理に関する最新の研究成果の発表の場として、毎年開催しています。
<2>講演会・シンポジウム・セミナー・見学会
環境管理に関する研究成果や技術動向を周知し、知識・情報を広く伝えていくため、随時開催しています。
組織〔令和5(2023)年6月8日現在〕
副会長 杉田 洋 湯淺 和博
監 事 木村 榮一 木村 亨
事務局長 堀口 弘
●運営会議
●事業委員会
●学術委員会
●論文審査小委員会
●現場のための室内環境評価と測定研究小委員会
会則
日本環境管理学会会則|PDF|
所在地
〒116-0013 東京都荒川区西日暮里5-26-7 クレセントビル3F
mail: info@riemam.org
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