研究発表会   質疑記録

第32回研究発表会 質疑記録

※記号[C司会:Q質問者:A発表者]


セッションA 「環境管理」

【Aー1】 建築物における床材の種類・汚れによる室内照度への影響(その2)

 Q 室内の明るさとは、作業面ではなく室内全体の明るさをさしているのか?

 A 室内全体の明るさをさす。

 Q 図14における清掃回数は回/年か回/月のどちらか?

 A 回/年である。

 Q アンケートの結果が室内照度への影響にどう結びつくと考えるか?

 A 建物用途により経年劣化に違いが見られたため、照明器具の扱い・管理の使用の違い

   によるものではないかと考え調査をした。

【A-2】 ATP拭き取り検査による清掃用具の管理に関する実験

 Q タオルとモップの水分量はどのように測定したのか。

 A 共に表面の水分量を測定している。今後、平面(タオル)と繊維の集合体(モップ)

   においてそれぞれ水運量の測定の仕方に関して見直しを進める。

 Q 表3における「使用後」の意味は?

 A 洗浄後という意。

 Q 実験における換気量は全てのケースにおいて一定なのか?一定であるならば、

   一定値をどう確保したのか?

 A 一定ではない。実験条件を今後見直す必要があると考える。

【A-3】 光触媒作用による室内空気質の改善効果に関する検証

      -その2 複合施設を対象とした実測結果-

 Q 実測は継続して続けていくのか?

 A 違う建築物において同様の測定を続ける予定である。

 C 実測結果は標準化・対比可能なものにしていく必要がある。

 A 今後進めていく。

 Q 測定方法によっては効果が示しにくいものだと思うが、どうすべきだと考えるか?

 A ATP測定結果が効果を示すものになっていると考える。

【A-4】 廃棄物減少社会における廃棄物管理について

      -新たな手法による東京都23区の一般廃棄物の予測-

 Q 各区の目標値の根拠・妥当性は検証したか?説得力のある根拠、数値を提出して欲しい。

   論理が破綻している。

 A 検証していない。指摘の通り、今後検討を進める。


セッションB 「ビルメンの現場セッション(省エネルギー)」

【B-1】 気化式加湿器の効率アップで水熱節減 

 Q 気化熱減少による省エネルギー効果はどれくらいか?

 A 今回省エネルギー効果に関して計測はできていない。 ただし水利用効率は95%を超えた

   と考えている。

【B-2】 エコチューニングと福岡市の先進事例について

 Q チューニングの際、省エネ性だけでなく快適性を損なわない運用改善を行っているのか

   (空調設定温度等)?

 A チューニング後の快適性は損なわれないようにしている。例えば中央式の場合、

   冷水10℃で十分なところを6~7℃で利用しているものなどを指摘し、直していく。

 Q 御社だからできたこと、特徴などはあるのか?

 A 福岡における水の単価が高い背景などから、節水対策は上手いと考えている。

 Q エコチューニング事業における事業者の報酬はどれくらいか?

 A 福岡市のものだと、報酬割合40~70%。民間依頼だとまた別、そこまで多くはもらわない。 

【B-3】 エコチューニング事業へのチャレンジ(省エネルギーへの取組) 

 Q 事業形態により契約を区切るというやり方は重要だと考える。関係性はどう区切られたのか?

 A 管理者が庁舎だと役員、体育館・武道館だとスポーツ指導員が行うというように、

   指定管理事業者の担当者がいないのが現状だった。維持管理とは別に指導者・推進事業者

   として応募していただいたという形だった。

 Q 今後の方向性は?

 A 社内の人材育成、増員に力を入れる。


セッションC 「ビルメンの現場セッション(ビルメンへの提案)」

【C-1】 「花の建築・涙の保全」から「花の建築・未来を育てる保全」へイノベーション

 C 「建築・設備のあってはならない不完全性事例大全集」は興味深い。非科学的な風潮の中で、

   先人の知恵をどう受け継ぐか・・・世界的になしえてないと思います。建築はITやIoTに

   近づけていく流れは設計者ではできないので、BM側から訴えていくべき話であると思いました。

 A 設計施工から維持官営への意思コミュニケーションが、いまはまだない。

   BIM+FMという形で実現できれば・・・と考えています。

   中国であれば「FMのISO化」が(ベースが何もないので)出来そうであるとの情報も得ている。

 Q 学内建物は先生が行っており、基本設計が終わってから「設備はどう?」という話しになり、

   情報の流れはいまいちとなる。どうすれば、BIM+FMの思考が達成されるのか?

 A 「日経建築」のそのような事例が出ていました。FM協会で、ダメ事例(特に公共物件)

   を集めて公開してはどうかと思っています。

 C 今後、「不完全性」の事例ではなく、「よい事例集」も考えてよいと思っています。

【C-2】 公共FMにおけるSDGsについて

 ※質疑応答なし


セッションD 「若手研究発表セッション1」

【D-1】 単音節明瞭度に重要な要素に関する研究

 Q スピーキングをメインとした研究であると理解しているが、今回の結果は空間の設計に結びつくのか?

 A 内装材により子音の吸収率や残響時間に違いが生じるため、それを考慮した空間設計の際に

   利用できると考える。

 Q 音の大きさ(40~60dB)はどこで計測したものか。

 A 講義室の真ん中で計測したもの。スピーカーは前方に二つ設置した。

 Q 基礎的研究だと考えるが、過去に同様の研究はされていなかったのか?

 A 建築分野と複合したものとしてははじめての研究である。 

【D-2】 空気集熱式ソーラーシステムを搭載するZEH住宅の性能評価

      その1 住宅の概要と冬期における暖房方式の検討

 Q ZEH住宅である特徴はどこにあるのか?

 A 省エネ機能としては、空気集熱式ソーラーシステム、創エネ機能としては太陽光発電。 

 Q ZEHとしての性能評価はどうすすめていくのか?

 A 今後検討する。

 Q 床下・土間下に断熱材は入っているのか?熱が逃げてしまっているのではないか。 

 断熱材は入っていない。地下に熱が逃げている現象が確認された。 

【D-3】 洗面器自動水栓設置におけるサイホン排水システムの流れ特性 

 Q サイホン排水システムの実用化の可能性は?

 A 工場などの流量が多い設備の実用化が有効であると考える。 

 Q 満水状態でなくなった場合の復帰はどうするのか。 

 A 短期間で排水が行われる場合は、サイホン機能が継続的に発生する。

 Q サイホン機能の条件の検討はしているのか?

 A 今年度研究を進める。

【D-4】 燃料電池コージェネレーションシステムのピークカット運転による

      省エネルギー性に関する研究 

 Q 0.7kWの住宅用SOFCを想定していると、SOFCの性能として悪いものをつかっていることに

   ならないのか?

 A ピークカット運転での省エネルギー性の有無を見る上で問題はない。

 Q このシミュレーション設定でこの結論はいえないのでは?

 A 今後見直す。

 Q 貯湯槽の大きさによって省エネ性は変わると考えるが、設備の追加も今後考えていくのか?

 A 今後検討する予定である。


セッションE 「若手研究発表セッション2」

【E-1】 複合型集合住宅におけるエネルギー融通

 Q 節約・標準・多消費型はどのようなデータを参考にしたのか?時間帯で乱数を用いたのか?

 A 既往文献からです。本研究では、そこまで検討できていません。

 Q 燃料電池7.0kWについて、住戸・施設どちらにも燃料電池があるが、それはなぜ?

   導入するなら、小さいものを複数台なのか?

 A 負荷特性が得られなかったので、7.0kWを複数個、使用しました。

   実際、住戸では7.0kWを複数台使用していたので、それを参考にしました。

 Q アンケート調査の「意欲の変化」とは?

 A 融通を発して利益を受けられるなら、導入意欲が高くなるということを調べました。

   「利益があれば」導入意欲に変化があるか、ということです。               

【E-2】 生活行為のバラツキを考慮した住宅のエネルギー消費量

 Q EV蓄電量100%の時、どのくらい住宅に供給できるのか?

 A 本来20%は残るべきだが、結果としては50%残っていた。

 Q 1000回のランダムモデルを使用しなくても、標準モデルで考えればよいのでは?

   結果は大して変わっていない。

 A PVに20%の幅が出ているので、ランダムモデルを参考とする余地はある。

 Q 幅が小さすぎるのでは?(ランダムに考えるならば、もっと幅を持たせるべき)

 A 「幅の妥当性」については、今後検討します。

 C 「幅の決め方」について、5分の幅でPV20%の差が出るのはおもしろい。

 A 各行為につき5分の幅を取っています。

【E-3】 数値シミュレーションに基づくDampnessの評価方法に関する検討

 Q アンケート調査において「8つの評価項目を各3点満点」というのはどれだけDampnessの

   評価法として妥当なのか?

 A 今回の評価方法はもともとあったものであり疑問は抱いたが、進めれば解決されるのでは、

   という希望がありました。

 Q シミュレーションとアンケート調査が一致するのはあたりまえであり、

   24点中101点であればOKなのか?

 A アンケートから、20点でカビ発生(水回り以外で)が見られた。

   もっと数があれば正確な基準として出せるのではと考えている。

 Q TRANSYSでの計算、局所的なDampnessは評価できないのでは?

   計算を平均的に解いていると、局所的なカビ発生などが見えなくなる。

   ツールの特性についても、もっと治験した方がよい。

 A 今後検討する。