完狂喚裏擁護ワールドJanuary,2008
2008年1月23日更新
安全管理非常用エレベーター設備

1.安全管理

最近、世の中では「安全」だけでなく「安心」も同じ扱いになっているようです。例えば、「安全・安心な社会の実現」「当社は安全・安心な○○を提供しています」といった表現が、国会答弁からテレビのコマーシャルに至るまで、当たり前のように使われています。

手許にある国語辞典(三省堂発行 新明解国語辞典 第六版(小型版))を引いてみると、
「安全」とは
「災害や事故などによって、生命をおびやかされたり損傷・損失をこうむったりするおそれが無い状態(様子)」
「安心」とは
「心配が無くなって気持が落ち着くこと(様子)」
と記されています。

これらによりますと、「安全」は「状態」に係るものであり、それを客観的に作り出して提供することは可能だといえますが、「安心」は「状態」に対して関係する人がどのように感じるかという「心の働き」に係っています。即ち、全く同じ「安全な状態」を提供したとしても、それによって「安心である」と感じるかどうかは「一人ひとり」違っていることになります。従って、「安心」と感じてもらえるような「状態」を提供することは可能であるが、人々の「安心」そのものは提供できないはずです。

「ら抜き言葉」ではないが、言葉の省略が過度に進んでしまっています。
日本語の使い方が、少しずつ変わってきているように感じます。

「管理」という言葉にも、多面的な意味が認められます。
上述の国語辞典には、
  • 「そのものを全体にわたって掌握し(絶えず点検し)、常時意図する通りの機能を発揮させたり好ましい状態が保てたりすること」
  • 「組織・施設や事業体の保守・運営について責任をもって当ること」
の二つの意味が記されています。

「安全管理」の場合は、一般的には前者の意味を持っているものと解釈されますが、「ビル管理」などの場合には、後者の意味を持っていると解釈できます。

「安全管理」は「ビル管理」の大事な要素のはずですが、違う「管理」がされているのでしょうか。

日本語って、本当に難しいですね。

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2.非常用エレベーター

ネットサーフィンをしていると、http://www5f.biglobe.ne.jp/~Eletz/13p.html のアドレスに掲載されている「俺たちのエレベータ」と題する記事が目に飛び込んできた。非常用エレベーター設備について、分かり易く書かれていたので、その一部を利用させていただきました(一部文言を変えています。また、作成者サイトから文章を引用する旨の申し入れをしましたところ、連絡がとれませんでした。そのため、このような表記をしましたことを、あらかじめお詫び申し上げます。作成者並びにその関係者の方で、この記事をご覧になられた方は、是非、学会までご連絡下さい。あらためて、ご報告をさせていただきます)。

「火災・地震時の避難にはエレベーターを使わないで下さい」
―というのは、もはや常識である。
この具体的な理由として(社)日本エレベータ協会は、火災時には、火災階ではドアが開き延焼したり、煙による災害や停電により階と階との間で急停止し、閉じ込められるおそれがあること、地震時には、揺れによる機器の損壊や停電などにより急停止し、閉じ込められるおそれがあることを挙げている。
協会ではこの対処法として「行先階のボタンを全部押し、最初に停止した階ですぐ降りる」ことを勧めている。
非常時に使うなと指導しながら、一方では「非常用」と表示したかごをみかけることがある。
これは誤解を招きやすい言葉だが、英訳の Firefighter's Service Elevator のほうがわかりやすい。
そう、これは「消防士たちの」エレベータなのである。

高層ビル内で火災が発生した場合、通常はビル管理者から119番に通報し消防隊が出動することになる。

非常用エレベータといえども、乗降ロビーが既に火煙で充満されている場合、地震等火災以外の原因により停止している場合、その他危険が予想される場合、には使用してはならないので、これとて万能ではない。

非常用エレベータを使用すると決定したら「消防署あるいは中央管理室備え付け」の消防運転用キーを持って「呼び戻しボタン」を押す。
これから救助の一歩は始まるのだ。
呼び戻しボタンで戻ってきたかごに乗り込み、かご内にある「一次消防」スイッチを消防運転用キーで切り替える。
  • 一次消防運転では、他で呼ばれても応じることなく目的階まで直行できる。
  • 60m(約20階建)の最上階までを1分でたどりつくというめやすから、法令によりかごの速さは60m/min以上である。
戸を閉めることができない場合は一次消防から「二次消防」スイッチに切り替える。
  • 通常は戸が閉まらないとかごは動かないしくみであるが、二次消防運転では戸が開いたまま出発できる。
    これは緊急事態のみに許される運転方法だ。
隊員とともに消火用機材を運ぶ必要から、非常用エレベータのかごの大きさは決まっている。
JIS規格A-4301にある E-17-CO 17人乗り 1150L以上 である。
  • これは高発泡消火器と2小隊を運べる最小の寸法である。
  • 非常用エレベータを使用するような火災の場合、1小隊(小隊長・隊員2名・機関員)がペアで活動するので、2小隊は中隊長を入れて9名である。
火災階にエレベータを直接乗りつけると、ドアが開いたときに火煙がかごの中に侵入する危険があるので、消防士たちは1階床手前で着床し、階段で移動する。
かごの上に「消防運転方法」の表示があるものは目的階に到着しても自動的には戸が開かないので、ボタンでの開閉操作が必要である。

緊急時には頼もしい非常用エレベータだが、消防活動の便宜をはかるために一般エレベータに「非常用」特有の機能を加えて、非常用エレベータとするのは日本エレベータ協会標準で禁止されている。

非常用は生まれながらに非常用なのである。

非常用がその成果を見せるときは「危険な場合」、願わくばいつまでも私たちのエレベータであってほしい。

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